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888文字のブログです

「この会社では何も学べなかった」と言って去っていった人の話

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「今週で、この会社、辞めるんですよ」と、ある同僚に言われました。

その人は僕とは別の部署にいて、仕事で少し関わったくらいなので、そんなに親しくはありませんでした。なので、「あぁそうなんですか」くらいの感想でした。仕事以外で話をすることはほとんどなかったのですが、最後に小声でいろいろと会社の不満を漏らしていました。「ろくな仕事しかさせてくれなかった、この会社では何も学べなかった」と。そう言い残して、去っていきました。

「しょうもない仕事ばかり押し付けられて、イヤになって辞めたんだな」と思っていたのですが、まわりの人の話も聞いてみると、だんだん雰囲気が変わってきました。

みんな、はじめはその人に期待して、いろんな仕事をしてもらおうと思っていました。しかし、何を説明してもその人はほとんどメモもとらず、しかも、後で何度も同じことを聞いてくるというありさま。その上、ミスも多く、まわりの人がリカバリーするために余計に時間がかかってしまっていたようでした。

その部署は仕事が多くて忙しいため、たぶん急いで人を雇ってしまったんじゃないかと思います。もしくは、選んでいる時間がなかったというべきか。しかし、人が増えても、何度も同じことを説明したり、ミスの対応に時間をとられるなら、余計に状況は厳しくなってしまいます。そうすると、新しいことをやらせて育てていく、という選択はできません。より簡単な、ミスしにくい、ミスしても大して困らない、端的にいうと「おもしろくない仕事」しか任せられなくなった、というのが実態でしょう。

その人も会社のことを「ダメだな」と思って、会社側もその人のことを「ダメだな」と思った結果、退職はお互いにとってハッピーだったのでしょう。ただ、やはり、入社の時点でこうした事態にならないように選考しておくべきだったなぁと感じます。全員のモチベーションが下がってしまうので。

あと、「この会社では何も学べなかった」系のことを言う人をたまに見かけますが、今回のケースのようなこともあるんだなぁと気づきました。会社側が悪いことももちろんあるけど、その人が悪いケースもあるんだなと。

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