失敗のダメージが少ないので、投資するなら若い頃から始めたほうがいい

投資をするなら、若いころから始めたほうがいい、とよく言われます。その理由として、複利効果があるからとか、若いころから投資や経済・社会のことが学べるからといったものがよく挙げられますが、個人的には「失敗のダメージが少ないから」が一番大きな理由だと思います。

若いころは収入が少ないので、投資に使える額はそれほど多くありません。なので、投資で儲けたいと思っている人からすれば、「倍になってもこれっぽっちか」とガッカリするかもしれません。

実際には倍にできることなんてほとんどなくて、少ししか増えないし、なんなら、減ることだってあります。すると、なおさら投資する意味が感じられないかもしれません。

でもそれでいいのです。個人の場合は、おカネがゼロになってしまうことは絶対に避けなくてはいけません。大きく勝つことより大きく負けないことのほうが何百倍も大事です。投資できる金額が少ないということは、仮に損をしてもダメージが少ないということだし、若いうちは給料でカバーすることもできます。（高レバレッジ取引だとカバーできないこともありますが）

会社員の間にまったく投資をしてなくて、引退後に、今までに貯めた資金＋退職金でいきなり投資を始めるというのは、本当に危険です。「今の預金だと老後の生活が大変だから、いっぱい増やすぞ、そのためにはリスクをとらなくちゃ」みたいな発想では、失敗したときの金額も大きくなります。新たな収入も見込めないため、リカバリーも困難です。

投資で損をすることもあるというのは、言葉では理解していても実際に理解するのは難しいです。自分で投資をして、実際に損失が出てみないと、なかなか理解できません。損失を出してもなお理解できない説すらあります。

こんなにリスクをとるとマズいなとか、損が出てしまうけどここで切ったほうがいいなとか、逆にこの値下がりにはしばらく耐えられるとかいった感覚は、すぐには身につきません。それを多額の資金で、しかもミスすると老後の生活が行き詰ってしまうみたいな状況で始めるのはリスクが高過ぎます。リカバリーのきく若いうちから、少額で始めてみるのがいいです。