人を増やすのではなく、仕事量を減らす
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あらゆるところで「人が足りない」って話を聞くんだけど、個人的には、人を増やすことよりも、まずは仕事量を減らすことを考えた方がいいと思うんだよね。
仕事の量が変わらないまま人数を増やした場合、理論的には各人の労働時間は減るはずだけど、実際には一時的に労働時間は増えてしまう。新しく入ってきた人に仕事を教えないといけないので、今までやってた人が今まで通りその仕事をすることができなくなってしまうからだ。自分の負担が増えてしまうから、新メンバーを快く受け入れられない既存メンバーすらいると思う。
新メンバーが仕事を覚え、仕事をみんなで分け合えるようになったとする。それでも、労働時間はそんなに減らないかもしれない。分担した仕事は、最終的には結合する必要があるけど、これがうまくいかない可能性がある。「あの人が数字を出さないとそれ以降の集計ができない」というようなことが起こりうる。作業効率が下がり、各人の士気も下がってしまう。こうならないように、ボトルネックが生まれにくくなるような分担方法を考える必要があるけど、そううまくできるとは限らない。
また、仕事を分担することで、仕事に対する理解が浅くなってしまうという問題もある。自分が担当している以外の部分、仕事の全体像が見えづらくなる。問題が起こったり、ルールを変えようという場面で、対応できなくなるリスクがある。
このような点から考えると、「仕事量が多いから、人を増やす」というのは、短期的にも中長期的にも問題がある。なので、まずは、「仕事量が多いから、仕事量を減らす」と動いた方がいいんじゃないかと思う。
過去に起こった問題に対する効果の薄い自主ルール、お客さんからごくまれに来るリクエストへの事前準備、今は使ってないけど廃止する理由もないからとりあえず作成している資料。こういったどうでもいい仕事から、エイヤッ! で削除していくのがいいと思う。
仕事量を減らす際には、「これは本当にやらなくてもいい仕事なのか」という悩ましい問題を考える必要が出てくる。でも、その問題はどこかのタイミングで考えた方がいい問題だから、今考えても別にいいよね。