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数学が苦手な人に、公式を理解させるよりも先にすること

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これを読みました。

数学や物理の「公式丸暗記の弊害」って、言うほど弊害かね - ちしきよく。

数学や物理の教え方について、です。

数学が苦手な人と得意な人とでは、教え方を変えるべき、というのは確かにそうだと思います。公式は理解してから覚えることは大事で、それは数学が苦手かどうかにかかわらない、という考えは昔から変わっていません。しかし、最近は、「はじめの段階では、丸暗記でもいいのではないか」という気持ちになっています。

数学の教科書には、「公式の証明」も「公式を使った問題」も両方載っています。公式の証明は、抽象的でわかりにくい上、これ自体が入試で問われることは少ないです。普通は、公式や定理を応用して解く問題が出題されます。

ただ、難しい問題を解くには、本質的な部分までわかっている必要があり、そのためには、少なくとも公式の証明はおさえておいてほしいんですよね。

数学が得意な人が数学を教えるときには、公式の証明もしっかりやります。これは、数学が得意な生徒なら理解しやすいのですが、数学が苦手な生徒からすると「で、それって何なの?」みたいな雰囲気になりやすいんですよね。心が離れてしまいます。

なので、証明が少し難しい場合は、まずは「こういう定理が成り立ちます」と言って、それを使えばどんなことができるのかをまず知ってもらう方がいいと思うんですよね。ある程度問題が解けるようになってから、「で、なぜこれが使えるかというと、こういう仕組みがあるからだよ」とした方が、まだ受け入れやすいのではないか、と感じています。

僕は別サイトで数学の記事を書いていますが、例えば、ユークリッドの互除法に関しては、【導入】ユークリッドの互除法では、「こんなことができますよ」とだけ言って、【基本】ユークリッドの互除法の使い方では、証明の核になる部分の紹介と使い方を書くだけにしています。その先の、【標準】ユークリッドの互除法の原理で、ようやく証明をしています。

数学が得意な人から見れば気持ち悪い流れですが、理解するよりまずは問題が解けるようになる方が前向きに取り組めるのではないか、と最近は考えています。

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