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時計の短針と長針は、約65分27秒ごとに1回重なる

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これを読みました。

話題のキンコン西野氏による近大卒業式「時計」スピーチが孕む危うさ。問われる近大の良識 | ハーバービジネスオンライン

キンコン西野のスピーチの例え話がおかしいという話。時計の短針と長針は1時間に1回重なるけど、鐘の鳴る12時の直前である、11時台は重ならない。鐘の鳴る前には、そういう報われない時間がある。でも必ず時計の針は重なるんだから挑戦しよう。というようなスピーチ。

短針と長針が重なることが、報われることと何の関係があるのか、というツッコミもあるけど、やはり一番違和感があるのは、定期的には起こらないことを、定期的・機械的に起こることで例えている点だと思います。例え話にツッコむのは野暮だとは思いますが、少し考えてみます。

時計の短針と長針が重なるのは、厳密にいうと、1時間に1回ではありません。正確には、720/11分ごとに1回重なります。ざっくりでいうと、約65分27秒ごとに1回重なります。本人も、スピーチで「1時5分ごろ、2時10分ごろ、3時15分ごろに重なる」と言っています。厳密に計算しなくても、これらのタイミングで重なることは経験からわかることでしょう。「1時間に1回」という割合ではなくて、720/11分ごとに定期的に繰り返して起こります。

約65分27秒ごとに1回重なるので、12時の1回前は、10時55分くらいに重なります。重なる間隔が60分よりも長いので、11時台に重ならないのは当たり前です。

スピーチでは「成功するには結果の出ない時間帯がある、だから挑戦しよう」と言いたかったのでしょう。鐘が鳴ることは成功を表しているかもしれない。ただ、その鐘は12時間たてば勝手に鳴るものだし、短針と長針も、必ず、一定間隔で重なるものです。いつ結果が出るかわからない、結果が出るのかどうかさえ分からない、というものとは、根本的に違います。

「報われない時間は僕にもあった」とスピーチで言っていますが、この体験を詳しく話した方がわかりやすかったんじゃないですかね。スピーチの雰囲気からすると、そういう内容の話をする感じではまったくなさそうですけれども。

(888文字)