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婆ちゃんは戦後を生きたから飯を一杯食わせてくる説

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お盆や正月に、親戚の家に集まると、婆ちゃんがやたら食べ物を勧めてくる、というのは、あるあるネタだ。飯を食ってるときに別の飯を勧めてくる、飯を食った直後に別の食べ物を勧めてくる。いろんなケースがある。

この不思議な行動に対して、「戦後の食べ物がない時代に育ったので、孫にはそういう想いをさせたくないから、勧めてくるんだ」という理由付けをよく聞く。しかし、これは正しいだろうか。昔は食べたくても食べれなかった、だから今自分は心置きなく食べるんだ、という話ならしっくりくるんだけれども。

この「戦後の食べ物がない時代に育ったから、食べ物を勧めてくる説」に懐疑的な理由の1つに、最近実家に帰ると、父親や母親も食べ物を勧めてくるから、というのがある。両親が育った時代は今よりも貧しかったかもしれないけれども、もはや戦後ではない。食べ物がない時代に育ったわけではないので、この時代背景が理由ではない気がする。

思えば、まわりにも、他人に食べ物をさくさん勧める人はいる。みんなで焼肉などに行って、若者にモリモリ食べさせたがる人がいる。少食な女性よりも、いっぱい食べる女性の方が好きだ、という男性もいる。食べる姿がかわいいからと言って、ペットにエサを与えすぎてしまう人もいる。

おそらく、たくさん食べている姿を見ることに、快感やうれしさを感じる人たちがいるのだろう。自分の作ったものをたくさん食べてくれるのはもちろんうれしいだろうが、自分が作ったものでなくても、ただ単純に食べる姿を見たい人がいるのだ。大食い番組が成り立つのも、これをエンターテイメントだと感じている人がたくさんいるからに違いない。

そう考えてみると、自分が子どものころに食べ物があったかなかったかというのは、あまり関係がないのかもしれない。単純に、モリモリ食べる姿を見たい、しかし、祖父母世代はモリモリ食べられない、親世代ももう厳しいだろう、だから孫世代やその下の世代にモリモリ食べてもらおう、そういう話だったのかもしれない。

ただ、若い人たちが、みんな大食いなわけではない。厳しい人には厳しいだろう。それに、そもそも僕はもう若くない。

(888文字)